第8章 会いたくない
「夏海ちゃん〜!」
席を探す私に手を振る結城くん。
「あ、」
四人掛けのテーブル席には、結城くんと向かい合って吉野さんが座っていた。
「 おふたりともどうして…?」
昨夜のことを考えると、どうにも納得のいかない組み合わせ。
「意気投合ってやつっすかね?
まー共通の知り合いがいたって話っす」
吉野さんは黙ってコーヒーをすする。
否定しないということは、そういうことなのかな。
「夏海さんもご一緒にどうです?
と言っても、俺達は食べ終えてしまいましたが」
「いいんですか?では…」
結城くんと吉野さん、二人の隣が空いている。
…この場合、どちらに座るのが適切なんだろうか?