第8章 会いたくない
ベッドに横になると、心地よい眠気が私を覆う。
たくさんの羊達に誘われ、私は眠りに落ちていく。
深く、深く、遠く、遠く。
きっとこのまま朝がくるんだ。
朝がきたら、レストラン車両に行って、豪華な朝食を食べよう。
朝風呂もいいな。
この列車って、一週間かけて往復するから…。
1日目…長かったような、短かったような…。
とにかく色々ありすぎた。
「夏海…ごめん」
「たかが3日で乗り換える程度だったってことよ」
夢の中では、元彼とその彼女…元親友の有香が私を見下ろしていた。
まどろみの中、確かに感じたこと。
私は未練なんてないんだから……。