第2章 敏感な所
「えぇ…っ」
ソファに寝転がされ、私は仰向けの状態になる。
「俺ともキスしようよ」
「ゆ、結城くん⁉︎」
モデルのようにスマートでもそこは男性。
上に乗られては身をよじることもできない。
「……」
あの男性はというと、不機嫌そうに私を見下ろしている。
「夏海さんというんですね」
「あ、はい」
「俺は、吉野匠です。…あの、さっきはすいません…」
しおらしくぺこりと頭を下げた。
「い、いえ…」
さっきまでの過保護な彼はおらず、真面目な好青年。
「何話し込んでるんすか?
俺の方が先に夏海ちゃんと仲良くなったんすから!…ねぇ、夏海ちゃんは深いの…好き?」