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最後は気持ちや‼

第1章 春


こんなイケメンなのに個性的な友達に囲まれていると、好きな男子のタイプも気づかないうちに高くなって、恋ってゆうものをしたことがない…

他の女子が恋話してるのを見てると、改めて『恋してみたいなぁ』と思ってしまう。

だって、恋してる女子って、キラキラして、可愛いオーラ全開なんだもん。

そうすれば、この、わたしの事を『女子』として見ない7人の男子に、少しは女子だって認めてもらえるんじゃないかなと…

…なんて考え事をしてたら…

…ボカッ

『何ボーッとしとんねん!遅刻したいんか!ホラ行くぞ!』

…またもりょーちゃんに叩かれた…

もうっ、ツンデレ王子…もっと、しょーちゃんみたいに優しく言ってくれればいいのに…

目を上げると、少し先、昇降口の向こうで、上履きに履き替え終わったみんなが
『はよせぇ‼』
と手招きしてる…

『まってー!』

私も慌てて自分の靴箱を見つけて、上履きに履き替えようと、すぐ上の靴箱に手を置こうとした瞬間…

…ドッテーン!

手が滑って、それはそれは某大手お笑い事務所の舞台役者さんに負けないくらい、思いっきりキレイにひっくり返った…

…イタタタタ…

『何しとんねん!』
『お前、パンツ丸見えやで!』
『ホンマ、アホやな…』

7人から代わる代わるバカにされ、ちょっと泣きそうになった時…

私の目の前にスッと手がさしのべられた!

『大丈夫?』

低く綺麗な声に導かれるように顔を上げると…

私の周りにはいないタイプのイケメン男子。

うわ、リアル王子様だ…

『だ、大丈夫です、ありがとうございます!』

彼の手を掴んで、起こしてもらいながらお礼を言う。

『良かった。気をつけてね、このスノコ、すごく滑りやすいから。』

そう言うと、その人は手をふりながら去っていった…

『うわ、岡田先輩、ずるいですわぁ…』

中2トリオが声を揃える…

ふーん、岡田先輩っていうんだ…信ちゃんたちも先輩って言ってたから、きっと三年生だよね…

カッコいいなぁ…///…王子様って、この世にいるN…

…バッチーン‼

『ホンマ、いい加減にしろや‼置いてくぞ‼』

…はい、ツンデレ王子…いや、りょー様…すみません…

その後、ドジでボーッとしてる私は、隣のクラスになったりょーちゃんに腕を掴まれ、逃亡犯みたいに教室まで連行されましたとさ…
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