第1章 春
マルちゃんとたつと三人で、いつも通りしょーちゃん家に行く。
すでにしょーちゃんの家には、りょーちゃんときみくんもいた。
『何や、三人揃って暗ーい顔して』
『どうかしたん?めーちゃん…』
『…何かあったんか?』
三人に、今日あったことを話す
『あー、やっぱりな』
きみくんが呟く。
『何や、やっぱりな…て』
りょーちゃんがきみくんに質問する。
『…うーん…あんなぁ…最近のすばるなぁ、とにかくアホみたいにモテんねん。みんなすばると付き合うとうて、付き合うとうて、順番待ちしとるっちゅう噂まであんねん』
…嘘でしょ?
まぁ、すばるくんって本当に魅力的だから、そうしたい気持ちは分かる。
分かるけどさぁ…すばるくんって、すばるくんって…
『あんなちっさいオッサンに、よう惚れんなぁ…』
思わずりょーちゃんが洩らす…
思わずつられて首を縦に振る残りのメンバー…
…あー、すばるくんがここにいなくて良かった…
ここにすばるくんがいたら…そうしたら…
『誰がちっさいオッサンやて?』
…うそ、この声は…
みんなで一斉に振り向くと、仁王立ちをしたすばるくんが…
『…す、す、す、すばるくん…い、いや、違うねん、違うねんて…そんな…』
あのりょーちゃんがここまで慌てるかというくらい、慌ててる…
『りょーちゃん、声が裏返ってんで♪』
しょーちゃんとマルちゃん、たつが、りょーちゃんに突っ込むと
『うるさいんじゃ、アホゥ///』
顔を真っ赤にして怒鳴る。
いつもの平和な、平和な時間。