第3章 真選組の姫と姉
菫が走り去っていき姿が見えなくなったと同時に沖田はドSな笑みを浮かべ、
思いっきり木を蹴った。
『うわぁっ!!!』
当然の如く木の上で昼寝していた女は落ちてきた。
『オイ、総悟。テメー菫がいなくなった途端に本性出しやがって。』
金髪女はケンカ腰で言う。
「黙れ華美。メスブタは俺が説得して連れて行ったことにすれば菫が喜んでくれるんでさぁ。」
『ハッ。テメーも菫に惚れてんのか。何人ライバルいると思ってんの。
ドSヤローに勝ち目はねーぞ。』
華美と呼ばれた女は沖田を嘲笑った。
「うるせぃ、とにかくテメーは道場に顔出せばいいんでさぁ!サボリ魔が!」
『総悟。そのセリフ、そっくりそのままバットで打ち返してやるよ!!』
「ケッ。俺は強いからいいんでさぁ。テメーは弱い癖にサボってるからいけねぇんでさぁ。
テメーなんか浪士との殺し合いでおっ死ねばいいのに、毎度毎度菫に庇われて。
もし菫が傷つけられたら俺がテメーを殺すからな。覚悟しとくんでさぁ。」
沖田は道場に向かう隣の女を冷たい目で睨んだ。