第4章 夢
が保健委員になってからは、及川と会う時間は授業中、お昼という少ない時間になっていた。
こんなに近くにいるのに存在が遠く感じてしまった及川は部活後のいるであろう保健室に向かった
教室に入ると案の定、室内には人一人おらず、を探し奥に進むと入り口に背を向け、黙々と机に向かっているの姿を見つけた
及川「?」
ビクンと全身を震わせ勢いよく振り返ったは、及川の姿だと分かると安心したように笑顔になった
及川『びっくりしたー、徹君どうしたの?』
及川「どうしたのって、もう7時なるけど」
『え!!もうそんな時間?!気がつかなかった』
ははっと笑うは机に広げていた本を閉じるとかばんに詰めた
及川「その本もって帰るの?」
『うん、私物だからね』
及川「私物?その分厚い本が?」
『そうだけど?』
なんで?と言いたそうなの表情にすかさず及川は突っ込みを入れた
だがそれもかわされ、兎に角教室から出て保健室のカギを職員室に届け学校を出た
及川「まさかだと思うけど保健室でやってたのって勉強?」
がり勉だと思ったでしょっと言うにウンと頷くと軽く肩を叩かれた
『私ね、海外には語学留学で言ったんだけど、なんせ慣れるまで友達が出来ないし、知り合いも居なかったからやることも無くて、仕方なく図書館に行ったんだ、そしたら医学書に目がいってパラパラめくって見てたら奥深くてさ~そっからのめり込んじゃったんだ』
及川「語学留学って事は初めはいつまで向こうだったの?」
『えっと長くて2年だった』
及川「ってことは中学は戻って来れたの!?」
『そうなの笑、でも、医学の勉強したくなっちゃって、私の我儘で海外留学が延期したんだ』
及川「そうだったんだ・・」
『・・・徹君に連絡入れようと思ったんだけど、声聞いたら帰りたくなっちゃうと思ったから連絡しなかったんだ、ごめんね』
及川「っ///」
落ち込んだ表情がギュッと胸を締め付けた
及川「大丈夫だからそんな顔しないで、確かに連絡は欲しかったけどね☆」
憎たらしく笑うとは頬をふくまらせ及川を見た