第1章 及川過去
岩ちゃんに聞いたら”そんな事言ってたっけな”とか言い出すし
俺だけが知らなかったのかと思うと余計辛くなった
でも気持ちは収まる事も無く、日に日に強くなっていった。
中学にあがり岩ちゃんとバレーを始めた俺はのめり込んだ
他の女子からちやほやされた。
それでもと比べてしまう自分がいて、彼女が出来ても長続きはしなかった。
いつしか岩ちゃんにも”いい加減忘れろ”といわれる始末
岩ちゃんには言われたくないなと思いながらもノラリとかわしていた
青葉城西高校に入学してからも黄色い歓声は鳴り止まなかった
笑顔で手を振れば頬を赤らめる人達
高校2年になればとっかえひっかえ彼女を変えた。チャラいと言われても彼女たちは寄ってきた。
麻痺し始めていた感情がまさかあの日で溶けていく事に今は気づきもしなかった。