第6章 土翁と空夜のマリア
ザザザザザ・・
暗い茂みの中を駆け抜けていくエクソシスト3名と探索部隊1名。
順調に目的地へと近づいている。教団を出てから最短ルートでここまで来る事ができている。
急がないと探索部隊の人達がどこまでもちこたえれるかわからない。そんな思いからか一同は全速力で駆け抜ける。
「・・・・」
「どうしたアレン?」
「まさかマテールの亡霊がただの人形だなんて・・」
横を走るアレンはまるで考え事をしているかのように下を向いていた。今から行う任務の事で頭がいっぱいなのか、少し折半詰まった言い方に聞こえる。
「せやな・・・・
なんか・・切ないよな。」
人間が勝手に造りだした人形なのに、飽きたら捨てる。尚も人形は動き続けている現実を考えると、悲しくなってくる。
<岩と乾燥の中で劣悪な生活をしていたマテールは、神に見離された地”と呼ばれていた。
絶望に生きる民達はそれを忘れる為、人形を造ったのである。
踊りを舞い、歌を奏でる快楽人形を。
だが結局人々は、人形に飽き外の世界へ移住。
置いてかれた人形は、それでもなお動き続けた。
五百年経った現在でも・・>
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