第6章 土翁と空夜のマリア
車両と車両の繋ぎ目である引戸をスライドさせ、車両の一番後ろを目指して歩いていく。光沢のある木の引戸は高級感を匂わせる。
「おっと!」
再び引戸をスライドさせると外に出た。目の前には神田の背中とその横に結界装置を背負っているトマ
「遅い」
「ごめん」
そんな遅くないやろー!って言ってやりたい。だって後ろちゃんと着いていってたもん。
でも、これは遅いから怒ってるんじゃない。きっとあたしがアレンとずっと喋ってたからイラついているんだ。2年付き合っているとなんとなーくわかってくる。
嫉妬なんて事はあからさまに出さないけど、違う形であたしにイラつきをぶつけてくる。そーゆー奴なんだこの人は・・
「いくぞ」
ザッ
神田の号令が聞こえると、トマと共に飛び降りる。
暗闇の森へと消えていく。
「え!?どこに!?」
「ここで降りるねん!はよ行くで!」
アレンの質問に答えながら飛び降り、先に降りた神田達に追いつくように走り出す。
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