第1章 出会い
伯爵が去った後も冷や汗が額から消えず、心臓のバクバクがなかなか抑えられない。
「おい・・」
その場にしゃがみ込み呼吸を整えようとしているあたしを、腕を組みながら偉そうに見下してくる。
「・・なんなん?」
少し落ち着き喋りかけてきた少年を見上げながら応える。
「てめぇー
伯爵と知り合いだな?」
ドサッと目の前に座り足を交差させる。
いわゆるヤンキー座り・・
確かに・・・
伯爵があたしの名前を呼んでたから疑うのは最もだ。
でも・・・
「違う」
「だったらなんで伯爵はお前の名前呼んでた?」
「だからわからんのやってば!!」
しばしの沈黙。
両方、交えた目線を外す事なく沈黙は続く。
→