第4章 犬猿の仲
「リナリーが結婚するってさー」
リーバー班長もこのやりとりは何十回、いや何百回と行っているだろう。ため息をついた後に、お決まりの台詞をいう。
「リナリィィー!!
お兄ちゃんに黙って結婚だなんてヒドイよぉー!!」
ガタッと勢いよく椅子を蹴り上げ立ち上がれば、当然のように椅子は後ろに倒れる。
同時に滝のような涙を両目から出しながら叫んでいる。
この台詞と同時に、この動作がついてくるから神田はすごく嫌みたい。アレンは初めてみる異様な光景にただただ驚いている。
あたしは結構好きなんだけど・・
「「「・・・・」」」
「悪いな。このネタでしか起きねぇんだ、この人。」
机の上の資料に垂れたヨダレと自分の口周りに垂れたヨダレを拭き取り、眼鏡と帽子を正確な位置へと戻す室長。
「いやーごめんね。徹夜明けだったもんでね。」
「オレもっスけど!!」
室長の後ろには大きな本棚。あたし達に見えるように地図が広げられている。
きっと任務で行く場所の事だろう。
あたし達3人も近くのソファーに座り任務資料が配られる。
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