第26章 無力
「あたしは死にません。
それに・・誰にも死んでほしくない・・無理はしません!行かせて下さい!」
「はぁー・・。
その生意気さ、ユウくんに似ちゃったのかねー・・」
「ありがとうございます・・!」
はぁーっとため息をつきながら、木の根っこの一部を通れるように開いてくれた。
「無理はしない事を約束するように。」
「約束します!」
抱擁ノ庭を抜けると、先程まで見ていた研究所とだいぶ変わっていた。もう原形をとどめていない。
だいぶ下まで落とされたんやな・・
まずみんながおる場所までいかな。
休ませてもらってたから体力もちょっと回復した。
「土壁!」
杖を下につけ土壁を自分の真下に発生させる。
地面から天井に伸びていく土壁の先端に乗り、上部を目指す。
ふと、水晶玉を見ると亀裂が入っている。
やっぱり夢じゃなかったんや・・。
「無事とーちゃく・・っと。」
上層部の部分に足をつける。
意外に利き腕じゃなくても何とかなるもんだな。
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