第26章 無力
ドォオン
異様な空気が漂っている。爆発音が響く方へと走っていく。
「ヘブラスカッヘブラスカ!!」
この声は・・ルベリエ・・?
あたしはその声がする方を見て全身の血の気が引いていくのを感じた。
ヘブラスカの目の前には柵に頭を打って意識を失っているリナリー。その横にルベリエ。
level4と思われるAKUMAに掴まれている神田と壁に叩きつけられ力なく倒れているラビの姿。
「みんな・・・っ!」
杖の柄をぐっと握り締める。
この場にイノセンスを発動できるエクソシストはあたししか居ない。
あたしがなんとかせな!!
「まだひとがいた。
あなたえくそしすとですね?あれ、あなたのいのせんすこわれかけてませんか?」
「・・・っ!!」
なにコイツ。
他のAKUMAと格段に違う知能を持っている。構えているだけなのにイノセンスが壊れかけているのをわかっている。
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