第3章 大切な人
「あぁ、つい最近な。」
「昔と随分変わったよな。」
「変わった?なにがですか?」
「あの子はAKUMAと戦う時、まるで別人になるんだ。
強くなったもんだよ。」
「強い?どこから見ても弱そうですよ。
あんなヘラヘラして。」
再び飯を食う手を進めた。
どこから見ても弱そうだ。
見たところ武器も持ってないし、ヘラヘラして笑っている。
今も仲間がどこかで戦っているのに。
「お前は知らないからそんな事が・・」
はぁーっとため息混じりに息を吐く。
「・・・・?何かあったんすか?」
「伯爵に親しい人を目の前で殺された。」
「え?」
今まで何の苦労もした事ないような子に見える。
「噂だが話によると伯爵達はあの子を殺しに来たらしい。
それを庇って死んだ。探索部隊ノエル・ディファ。」
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