第20章 失った信頼
「はぁはぁ・・ついた・・ッ」
やっとの思いで小さな塔へとたどり着いた。
またイノセンスを持った時に弾かれるかもしれない。そんな緊張感があり、なかなか持つ事ができない。
ドォオオオオオン
塔の方で激しい爆発音が聞こえる。
きっとアレンとラビが戦っているのだろう。
あたしも早く行って加勢してあげたい・・
「ごめん。置いていってごめん・・」
気付いたらイノセンスに話しかけていた。
反応がないイノセンス。小さくぽっと光ったままだ。
なんだろう。この気持ち・・
ずっと信頼してきたのに見放された気持ちだ。
もしかしてイノセンスもこんな気持ちになってたん・・?
あたしはイノセンスがなくてすごく不安だった。
イノセンスがあればロードの攻撃だって防げていたはず。
「壊されたくなかった。
これからもずっと一緒に居たい。これからもずっとパートナーやと思ってる。
だから・・ごめん。」
イノセンスは大きく光出し、発動した状態であたしの手の中にそっと置かれた。
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