第11章 心臓の鼓動
「く・・ッ」
頭上で何かしているみたい。ポタポタと液体が落ちてくる。
血・・?
地面に倒れているあたしは真っ暗な空の方を見た。すぐ近くにデイシャの顔がある。その顔からは血が垂れている。
「は・・ッや!!いやぁああ!!!!」
ドスッ
腹部に激痛が走る。両手首は離れている。
い、今のうちにイノセンスを・・とらなければ・・
力が・・・・入らない・・・・
「うるせぇーな、静かにしてろ。もうすぐ終わるから。」
「はぁはぁはぁ・・ッ」
ダメだ・・あたしも殺される。
こんな奴に勝てない・・
「お待たせお嬢ちゃん。やっと遊べるな。」
ゾクッッッ
殺気が混じった笑顔は目線を反らす事も許されない。息をする事も許されないような感覚に陥る。
ガッ
「ヤッッ!!」
あたしの上へ馬乗りのなってきた瞬間に、髪の毛を頭上へと引っ張られる。先ほどよりもティキの表情がよく見える。
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