第11章 心臓の鼓動
────日下部夢
何が起こった・・?
目の前には血まみれの臓器を持ってほほ笑んでいるティキの姿。その足元で倒れているデイシャ。
「そうだ。お嬢ちゃん、見てみ。
動いてる心臓見るの初めてだろ?」
ゆっくりと臓器を持ったままこちらへと近づいてくるティキ。ドクドクと一定の鼓動を鳴らし動いている。
何?何を言ってんの?
動いてる心臓・・?
「ほら。」
あたしの目の前に臓器が見える。誰の・・?
ふとデイシャの方を見ると苦しそうにこちらを見ている。
「ハァ・・ハァ・・ッッ
か、かえ・・して・・・」
デイシャの心臓だ。コイツが取り出したのか?
呼吸が荒くなる。さっきまで呼吸をする事を忘れていたようだ。それほどまでに一瞬の出来事だった。
「どうしよっかなー」
→