第11章 心臓の鼓動
「なんだぁー、人間じゃん。お前・・AKUMAじゃないのか?」
建物を通り抜けるとスーツにシルクハットにステッキを身に纏っている、いかにも貴族らしい格好の男が歩いていた。
こんなAKUMAだらけの場所に人間・・?いやAKUMAなのか・・?
「ん・・まあ一応。」
「なんで人間が平気にこんなところを歩いてるんだぁ?」
真正面で見合っている。この怪しい奴は落ち着いた様子で淡々と話し出す。
「あんた名前は?」
「デイシャだ。デイシャ・バリー。」
「違うな・・」
「人に名前聞いといて・・自分も名乗るのが筋ってもんじゃん!」
「それは失礼。俺の名はティキ・ミック。
まああんたは関係ない。んじゃ、俺は先を急ぐ。」
ティキ・ミック?アイツがさっき言ってた名前・・だったか?
それになんなんだ。コイツ絶対普通の人間じゃねぇ!!
シュッ
俺はイノセンスを蹴り、その男の顔すれすれに飛ばした。
「お前普通の人間じゃねぇよな。
ちょっと話し、聞かせろよ。」
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