第5章 努力 【宮地】
おまけ
部活後…
シャワーで汗を流して更衣室へと入る。
そこには大坪、木村、裕也、高尾、緑間が
各々着替えていた。
ゆりは片付け中だろう。
俺がタオルを肩にかけてTシャツを羽織ろうとした時…
「うっひゃぁ~、宮地さん、見せつけて
くれるっすね~!」
高尾が俺を見て吹き出した。
「あ?何だよ高尾…」
俺は不快に思って眉を顰める。
すると、その言葉に反応するように、
他の4人が全員俺を見る。
「なっ…おい、宮地…」
「お前…さっき何しに行ったんだよ…」
「ブフォッ!リア充アピールっすか!?
宮地さんらしくねえ!!」
「兄貴…止めはしねえけど、ほどほどにな」
口々に俺に言葉をかけるメンバー。
俺は不思議に思ってこいつらの視線の
先にある、自分の肩に目を向ける。
「…なっ!!(しまった…!!)」
俺は一気に体中の血液が顔に集まったように
熱くなるのが分かった。
そう…俺の肩にはあの時ゆりが
声を殺すために噛んだ跡がくっきり残っていた。
「てめえら!!じろじろ見てんじゃねえ!!
撲殺すんぞ!!!!」
俺の怒鳴り声は体育館中に聞こえたらしい。
「…一体なんのことなのだよ?」