• テキストサイズ

黒子のバスケ 短編集☆彡

第2章 看病 【火神】


火神SIDE

(あんだけ来るなって言ってたのに…

まぁ、こいつが言う事聞くなんてことの方が

珍しいし、仕方ねえか…)

しかし、身体が熱い。

熱が下がってないのだろう。

「起こしちゃってごめんね?寝てていいよ」

顔色を伺いながら、ゆりは俺の額に

手を当ててきた。

「わっ!全然熱下がってないじゃん!

ちゃんとご飯食べて薬とか飲んでる?」

驚いて尋ねてくるこいつに俺は曖昧な

返事をする。

「あぁ、寝てれば治ると思ってなんもしてねえ…」

「それ一番ダメじゃん!」とツッコんだこいつは

すぐに俺の背中に回って押す。

「ご飯作るから!とりあえず寝てて!熱は測った?」

そういえば測っていなかった。

「…まだ。」

短く答えると、ゆりはリビングの棚にある

体温計を持って来てソファに俺を座らせた。

「もう!ブランケットかけて!熱測る!」

半強制的に俺にブランケットをかけて

脇に体温計を挟むゆり。

すぐに体温計は計測終了の音楽が流れる。

「わっ!ほら、8度8分もあるじゃん!

身体、キツくない!?」

ガサガサ音を立てて持って来た袋を漁っている。

「冷えピタ貼って!キツイと思うけど、

ベッドまで歩ける?」

一方的なマシンガントークに、俺は唖然。

いつもはマイペースでのんびりしているだけに

呆気に取られてしまう。

「あ…あぁ。大丈夫だ。」

背中をグイグイ押されながら俺は自室の

ベッドへと入った。

「キッチン借りるよ?ご飯ちゃんと食べて

薬飲まないとよくならないから!」

そう言い残してバタバタとキッチンへ向かう

ゆりを見て、自然と頬が緩んだ。

(ああやってキビキビ動けんじゃねえか)

額に貼られた冷却シートが心地よくて

俺は目を閉じる。

ぐるぐる回って見えていた視界も少しは

マシになってきたかも…

そう思っているうちに、俺は浅い眠りについていた。

/ 71ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp