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黒子のバスケ 短編集☆彡

第2章 看病 【火神】


リコ先輩はそう言って私の肩を叩いた。

「わ…わかりました。では、お言葉に

甘えて、行ってきます。報告はメールでしますね」

私はみんなにお詫びして、すぐに体育館を出た。

しかし、私の去った後、体育館では…

「カントク、ほんとに今日調整だけなのか?」

「っしゃ!ラッキー!」

日頃きつい練習ばかりなので、やっと一息つけると、

全員が安堵の表情を見せた。

…が、振り返ったリコ先輩は、

とびっきりの笑顔で答えたそうな。

「もっちろん♪今日は通常メニュー三倍で

許してあげるわ☆彡」

全員が一瞬で絶望の表情に変わった。

そんなこともつゆ知らず、私は買い物を済ませ、

大我の家の前へと到着した。

「アポなしで来たけど、大丈夫かな…」

事前にお見舞いに行くとは言っていたものの、

当の本人は来るなの一点張り。

「(でも、一人暮らしだし、多分

ごはんもろくに食べてない気がする。)」

私は思い切って玄関のチャイムを押す。

すると、しばらくしてダルそうな声。

『…はい。』

「大我…?お見舞い来た。」

私の声を聞いて一気に覚醒したのか、

その声ははっきりしたものに変わった。

『はぁ!?来るなって言ってただろ?!』

「だって…リコ先輩が行けって…

それに…心配だし。ごはんも食べてないんじゃない?」

私がインターホンの前で問うと、彼は黙り込んだ。

「大我…?」

再びインターホンに問いかけていると、

目の前の扉が開いた。

「…ったく。まぁ、上がれよ。」

ぶっきらぼうだけど、なんだか照れ臭そうに

手招きする彼。

私の頬は一気に緩んだ。

「ん!ありがと!」

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