第2章 看病 【火神】
白銀SIDE
ある日の学校にて…
「え…?今日は火神くん休みなんですか?」
「ん、なんか熱が出てるみたい」
毎日朝練に参加している私とテツくんは
そんな会話を交わしていた。
「あの火神くんでも風邪はひくんですね。」
テツくんはきょとんとした顔で言う。
「まぁ、この時期の風邪はなんとかが
ひくってことじゃな~い?笑」
私はいつもののんびりした口調で答える。
「今日は看病にでも行ったらどうですか?」
テツくんは微笑んで私に言う。
「ん、部活終わってから行ってあげようかと
思ってたところだよ~。さすがに部活は出ないと
迷惑かけるしね。」
近くに転がっていたボールを拾ってゴールへと放る。
パスッと軽快な音を立てて、ボールはゴールへと
吸い込まれて行った。
「ゆりさん、嫌味ですか。」
ムッと眉を寄せて、テツくんが呟いた。
まぁ、小さい時からバスケはかじっていたから
プレイももちろんできるんだよね。
「あ…ごめん」
私は苦笑いを浮かべる。
「とにかく、お見舞い行くなら部活が
終わってからだね。」
2人でそんな会話をしながら朝練を終えた。
そして時間はあっという間に過ぎて、
大好きな部活の時間がやってきた。
「んなぁにぃ~!?あんのバ火神!
風邪引いて欠席だとぉ~!?」
事情を話したリコ先輩、案の定大激怒です…
「まぁまぁカントク…火神もバカじゃないって
証明されたってことでさ…」
それを見ていた伊月先輩達が説得を試みた。
「熱が出てるだけって言ってたので、
多分すぐ治ると思うんですけど…部活が終わったら
私が様子見に行ってみるつもりです」
私がドリンクを準備しながら言うと、
リコ先輩の目が光った…気がした。
「それなら話は早いわ!!ゆり、
今日はマネージャーの仕事いいから、
今から火神くんの家にいってらっしゃい!」
まさかの今から発言!?
「え!?いや、部活が終わってから…」
「いいのよ、今日くらい!今日は軽い調整だけに
しとくから!ゆりの姿見たら、あいつも早く
治ると思うし!」