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黒子のバスケ 短編集☆彡

第4章 嫉妬 【福井】


そしてむっくんと楽しく雑談しながら

ドリンクを準備していると…

「ぅわあぁ!」と、私の悲鳴が響いた。

あまり驚くことなくむっくんが

「どうしたの~?」と尋ねてくる。

濡れた手で作業していた私は、ボトルから

手を滑らせて、ボトルからはドリンクが溢れ、

ジャージがびしょびしょになってしまった。

「やっちゃった…汗」

「ありゃりゃ~、見事にびしょびしょだね~。

下着とか濡れてない?ジャージだけ?」

「だ…大丈夫…でも、中着までいっちゃってるね…」

「着替えとか、持って来てる~?」

「…タオルか制服しかないなぁ。。」

苦笑いを浮かべてジャージを引っ張り、

パタパタ動かして見る。

さすがに肌寒くなってきたから着替えは持ってきていない。

「(これ、乾くまでだいぶかかるかなぁ…

かといって着替えもないし…でも、これ着てたら

風邪引いちゃうかも…)」

そんな事を考えていると、頭にフワッと何かが掛かった。

「…?」

手に取って見ると、むっくんの名前が書かれたジャージ。

「それ、着てていいよ~。部活終わるまでには

ゆりちんのジャージも乾くでしょ~。

それまでそれ着といていいよ~」

にっこり笑ってむっくんが言う。

「え?でも、むっくん部活中寒いんじゃ…」

言いかける私の口をむっくんが人差し指で遮る。

「いいの~。風邪引かれたら困るし~。

…面白くなりそうだし~。」

最後の方が聞こえなくて、私は「え?」と

聞き返したが、むっくんは笑って答えてくれなかった。

それからはむっくんに外に出てもらい、溢した分の

ドリンクを急いで作って、むっくんと体育館に

向かったのだった…


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