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黒子のバスケ 短編集☆彡

第3章 文化祭 【赤司】


そして、部屋に入ると再び赤司が説明を始めた。

「僕と実渕はもう既に担当が決まっている。

あとはお前たち4人の中から1人、ボーカルを決めてもらう

ことになる。最初に言っておくが…手を抜いた点数を

出したら。…わかっているね?」

口元に微笑みを携えたまま、赤司は主にゆりに

向かって言葉を発していた。

サァァァッとゆりの顔から血の気が引いていく。

それを見て、黛がフッと吹き出していたのに気がつかないほど

ゆりは追い詰められていた。

そうしている間に他の3人は曲を入れていく。

採点機能はバッチリつけられている。

「(やばい…白銀ゆり、背水の陣…手を抜けば

お仕置きされる…)」

さっきの含みのある言葉は自身に言われたものと

自覚のあるゆりは、震え上がっていた。

…別にこのメンバーの前で歌う分には構わない。

どうしても避けたいのが、文化祭だ。

しかし、赤司のお仕置きがいかに辛いかは

体に直接叩き込まれている。

いろいろ考えているうちに、葉山が歌い始めた。

軽快なテンポと共に歌いだした葉山。

その歌のうまさは想像を超えていた。

「(葉山先輩、歌うまい!)」

他の部員とカラオケに来るのは初めてだったので、

歌のうまさにゆりは圧倒されていた。

「(これなら、大丈夫そう…)」

葉山が歌い終わり、出た特典は、なんと91.26点。

「うはぁ~!出ました、早速90点代!

俺ぶっちぎりなんじゃない!?」

ガッツポーズをして喜ぶ葉山。

その得点を実渕が紙ナプキンにメモする。

そして続いて根武谷。

見かけによらず、根武谷もかなり歌がうまかった。

筋肉を日頃からつけているだけあって、

声量があるからだろう。

しかし、特典は90.84点。

「あ~、俺のマッスルボイスにマイクが

ついてこれなかったんだな」

「あんた、なんでもかんでもマッスルつけるの

いい加減やめなさいよ」

実渕がツッコミを入れながら得点を記録する。

そして3人目は黛。

白銀にとっては、一番インパクトが強かった。

静かなバラード系の曲かと思っていたら、

入れた曲は意外にもロック。

驚くを通り越して、全員が呆気に取られていた。

気になる得点は…92.03点。

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