第1章 タイムリミット
「3年間同じクラスだよ!!!やったあ!!!!」
「…本当か?!」
去年と同じようにハイタッチをした。
「お前今年も背伸びしたな?
の身長、いつまで経っても伸びねぇな〜」
「うるさいなぁ」
ハイタッチの時に背伸びをした
それをからかう俺
いじけたような表情を見せつつ笑う
何も変わらない。
ドラマのようなシーンだった
桜がひらひらと舞う中でのクラス発表
そして…
「折原くんも!」
「……嘘だろ?」
好きな人と同じクラスになる
好きな人の好きな人と同じクラスになる。
ベタな三角関係がクラス内に成立した。
「よろしくね、シズちゃん」
背後からの声
肩に手を置く折原臨也
すぐにでも殴り飛ばすことはできたはずなのに、手は出ない。
それはやっぱりが隣にいるから。
俺は肩に乗せられた手を、自らの手で払った
暴力を抑え、我慢をしている俺の顔を見てニイと笑う臨也
苛々する。
俺らが喧嘩をしているところは絶対に見せたくなかった
が俺らの喧嘩を見たら、きっと嫌な思いをするだろう。
でも、正直今だって爆発しそうだ
これから1年、同じ教室で勉強をしていくことを思っただけで気怠い。
臨也の存在そのものを消したいと思う。
俺、耐えれんのかな。
これまでに感じたことのないくらい大きな不安が募った
暴力が爆発する前に、
に嫌われる前に、
何より、臨也より先に。
はやく、好きだって伝えねえと。
このままだとはまんまと臨也のもんになっちまう。
来神高校内で、臨也に惚れては騙されて、嫌な思いをしている女を俺は何人も知っている
その噂を知っていても臨也に近づく奴もいる。
をその中の1人にはしたくない。
あんな悪巧みしてるような奴に取られて堪るかよ…
を泣かせるくらいなら、恥ずかしくても好きだって伝えてやる。
2人が話してるのを見てそう思った。