第1章 タイムリミット
あれから半年が経った
折原臨也の宣戦布告から。
半年の間、何も変化は無かった
不自然なほど。“不自然”なほど。
臨也は絶対に何か仕掛けてくる
静雄はそう警戒していた
にも関わらず、少し足りとも変化が無かったのだ
それを不気味には思ったが、何故行動を起こさないのか…と臨也に聞くこともしなかった
臨也自身の中で、よからぬ目論見があるに違いないと確信していたからだ。
……勿論その通りだった
嫌いな相手だからこそよく分かることがある。
嫌いな相手の嫌いな部分は見たくなくても見えるものだし、
理解したくなくても理解できてしまうものだ
見なければいいのに見えてしまって、気分を害する
臨也と、と静雄、静雄と臨也
それぞれの関係は今まで通りだったのだが、臨也の中で何らかの変化があることは容易に想像できた