第1章 回陽の女バレ
私は一つ一つ記入し、赤茶色の髪の先輩に渡した。
「よし!じゃあ、これからよろしく!あたしはキャプテンの高木くるみ。」
「私は立花香。副キャプテンだよ~。よろしくね~。」
私も自己紹介しなきゃ。
「羽瀬唯です。これからよろしくお願いします。」
小さくおじぎした。
「にしても、唯ちゃんって、高いよね~。高ちゃんと同じじゃな~い?」
「そうですか?」
確かに立花先輩は私を見上げてる状態だけど。
「後輩に見下ろされるのはお気の毒ですね。」
そう言ったのは私じゃない。横に誰かが立ち止まった。
「はる!」
「ゆい、久しぶり。あ、私もバレー部に入りに来ました。」
ミルクティー色のポニーテールを揺らしてはるは言った。
毒舌とストレートな物言いは変わらない心友だ。
けなされた立花先輩はニコニコを少しも崩さず、「経験者~?」
と問いかけた。どうやらさっきの発言は気にしていないらしい。
「そりゃそうですよ。隣にあんな看板があるんですから。」
ん?もう一つ看板があるの?