第3章 地獄の練習
もちろん、私とはるはお互い組もうとしたが、キャプテンが
「おっと。」
と言いながら、行く手に立ちはだかった。
「今回は組み合わせを指定させてもらうよ。」
高木先輩は組み合わせをこう決めた:
福原先輩・藤川先輩
はる・高木先輩
私・立花先輩
「よろしくお願いします」私はボールを片手に軽く頭を下げた。
「よろしく〜。実力見せてもらうね〜。」立花先輩もふわりと笑いかけた。
パンッダンッパパンッダンッダダンッ
三組に分かれた私たちは打ち合いを始めた。
私は先輩たちが強いことを改めて感じた。
あ、しまった。と強めに打ってしまったボールを、立花先輩は元の路線にリズムを乱すことなく綺麗に戻してくれる。さすが副キャプテン。
サッとはるの方に視線を流すと、はるの時々かける小技を、我がキャプテンは何の躊躇もなく素早く返す。はるもやはり感心しているように見えた。
パンッダンッダダンッパンッパパンッダダンッ
複数のボールが鳴らす音が体育館にしばらく響いていた。
「ストップ!」
キャプテンの張りのある声が体育館に響く。
「ネットはさんでラリーするぞ。今のペアと分かれて、そのまま2組に分かれて。」
私はネットをくぐり、はると合流した。福原先輩もいる。
ボールはネットの向こうにいる藤川先輩が持っていた。
「いっくよー!!ヘーイ!」
やはりテンションの高い藤川先輩はサーブを打った。ボールは真っ直ぐ私に向かってきた。