第3章 地獄の練習
タッタッタッタッタッ
「はぁ‥はぁ‥はぁ‥」
私って、本当にバカでした。
「はるぅー!走るなって一声かけてくれればいいのにー!」
「面白そうだったからいいじゃんか。」
本当にバカ、バカ、バカ!
あんなに走らないように注意してたのに、結局自分から走っちゃったし!はるは止めてくれないし!面白そうだからとか親友の考えることか!?もう、私のバカ!はるのバカ!
タッタッタッタッダッダッダッダン
「はぁ‥はぁ‥はぁ‥」
汗のしずくがショートカットの髪先から落ちる。
「唯ちゃん大丈夫?朝より相当疲れてるみたいだけど。」
福原先輩が私の顔を覗き込んで聞いた。
「あ、はい‥大丈夫、です‥」
先輩の前ではさすがに疲れましたとはいいがたい。
私ははるを見た。
はるは朝と同じ調子で、私みたいには疲れていないようだ。自己満足な笑顔で私を見ている。
くそぉ、コイツ。どこまでもイヤミだ。
友達なら少しは心配しようよ。
そう思ってはるをにらんでいると、副キャプテンがいつもの笑顔で朝の時のように声を上げる。
「次行くよ〜!午後はメニュー多いからね〜。まずは二人で組んでボール慣らして〜。」