第3章 地獄の練習
キーンコーンカーンコーン
ベルの音が授業の終わりを告げる。
「きりーつ、れーい」
「「「ありがとうございましたー」」」
「はぁー」「終わったー」
「疲れたー」
クラスメイトたちは、すぐカバンを掛けて教室をさる者や、背伸びをしたり、席を立って新しい友達のところに喋りに行ったりしている。
「はる、部活行こう!」
「はいはーい」
私とはるもカバンを持って教室を出た。
今回はちゃんと走らずに、歩いて体育館に行く。
朝の悲劇を再演しないように。
私は授業を終えて思ったことを言った。
「高校の授業ってやっぱり進度速いねー。」
「そう?」とはるが目を私に向ける。
「え、はる思わないの?一日目なのにほとんどの科目が10ページぐらい一気に進んでるじゃんか。」
「‥まぁ、確かに中学ではそんなことなかったけど。でも、そんくらい別にたいしたことじゃないでしょ。」
「もう!はるは頭がいいからそんなこと言えるの!中学の時もずっとテスト一位だし。あたしは家で予習したギリギリのところだったから追いつけたんだよ。」と私は尖らす。
すると、はるはにやりとして、「テストずっと五位のやつが追いつけないことはないんじゃないの。」とからかってくる。
それに私はむすっとする。
「私は頑張っても五位までしかとれないの。はるみたいに頭は良くないの。勉強は勝てないから。これでいいでしょ。でもね」
私ははるに笑いかけた。
「バレーは絶対勝つから!」
そう言って先に走って行った。
「‥バカ」
はるがにんまりと笑ったのを知らず。