第3章 地獄の練習
「疲れたー」
私はタオルで顔を多いながら言った。
「まー確かに中学ん時と格が違う」
そう言いながらもいつもの涼しい顔にもう戻っているはる。
私たちは、朝練を終えて、教室に戻っているところだ。
授業初日なので、元気はつらつな新同級生たちが、廊下にあふれかえっていた。
なぜかタオルで顔を覆っている私を不思議そうに見ながら。だか、ほとんどははるの冷たい睨みによって、首をすくめてそっぽを向いた。
教室にたどり着き、ドアを開けて中に入る。すると、教室に残っていた何人かの女子が好奇心で近寄ってきた。
「お疲れ様ー!どの部活なの?初日からきついねぇ」「どこどこ?」
「バレー部」はるがめんどくさそうに答える。
「そっかぁ、あのめがねおじいさんの部活か!」「確かにきつそー」
メガネおじいさん‥
富沢監督ドンマイだ。
疲れているので会話もそこそこにし、自分の席にどさっと座る。はるは隣の席に座りなから、
「まあ、午後の練習がどうなるかだね」
と言った。
そう、朝練が終わった時、疲れている私たちを見て、高木先輩が「午後はもっとキツイから体力蓄えとけよ?」と言った。
朝しごかれたと思ったら、午後はもっとキツイ‥でも選抜されてまで入ったから、頑張らなくては。
私は気を引き締めるように深呼吸した。