第4章 3人の休日
「あっちゃー・・・。」
「こ、こまりましたね。」
私は二宮さん宅でTVとにらめっこしていた。
TVに映し出されているのは私の家の方面の電車が止まったということ。
「外は大雨だし、無理もないですねぇ・・・。
安藤さん、親御さんに電話してください。」
「え、でも私帰らなきゃ。」
「でも、帰れないでしょう。」
そうですよねー。
私は心の中でそうつぶやいた。
さっと携帯を出し、母親に電話をかける。
「お母さん・・・。」
なんで私がこんなことになったかというと
「え?」
「だから、うちにゲームしに来ないかって言ってるんです。」
二宮さんから次の休みに自分の家に来ないかと誘われた。
ゲームをしよう。それが二宮さんが誘った理由だ。
「いいですよ。」
遊びに行くだけだし。
私は軽くそう縦に首を振った。
すると二宮さんはうれしそうに笑ったのだ。
だからいるわけだが・・・・。
私は携帯を閉じた。
「OK!だ、そうです。」
「そう、よかった。」
こんなことになるなんて・・・。
「・・・大丈夫。」
「え?」
「そんなに怖がらないでください。俺、あんたに何もしなから。」
「別に・・・怖がってなんか。」
「声、震えてますよ。」
二宮さんが私に背中を向けていった。
私は思わず口をふさぐ、もしかするとしらずしらずに声が震えていたのかもしれない。
「ほら、ゲームしましょう。」
「は、はい!」
もしかして二宮さん私のこと気遣ってくれたのかな。
私は二宮さんの言葉にうなずきコントローラーを受け取った。