第3章 初めてのお仕事
面白い子がきたな・・・。
俺は無言にありながらそんなことを考えていた。
さっき俺が言った言葉に素直に反省した彼女はいかにも女子高生らしい顔で俺のゲームを覗き込む。
「これ、友達もやってましたよ。」
「ふーん。」
「人気なんですねー。」
どんなに俺がゲームに熱中して返事があいまいになっても、彼女は話を続ける。
「で、ですねー・・・。」
「うん。」
いつの間にか彼女の話は俺のBGM状態になっていた。
「それで・・・あ、二宮さん。お仕事の時間ですよ。もうすぐ皆さんも帰ってきます。」
「あれ、もうそんな時間?」
ふっと時計を見れば確かにそろそろ皆が帰ってきて、次の仕事へ行かなければならない時間だ。
「そうかぁ・・・。」
なんとなく名残惜しかった。
ゲームを閉じる。
彼女は立ち上がりささっと資料をまとめ始めた。
「・・・。」
「?」
その姿を見つめていると見つめ返されにっこりと微笑まれた。
「お水ですか?」
「あ、いや、あの・・・。」
また話を聞かせて。と、言おうとしたところで相葉さんの元気な声が聞こえてきた。