第33章 使命

“私がロヴォフの横領に関する証拠書類を手に入れた”



そう嘘の情報を流す。



用心深いロヴォフの事だ。



まずは書類の存在を確かめるために何らかの行動に出るだろう。



動けば必ず痕跡が残る。



それを辿り、本当の証拠を手に入れる。




そして、ロヴォフは証拠書類を取り戻すため…あるいは私を殺すため、調査兵団に新たな刺客を送り込んでくるだろう。





“私が地下街の窃盗団を調査兵団に入団させようとしている”



そう聞いたロヴォフは、彼等を利用しようとするのではないか。



そうなれば、こちらも彼等を調査兵団へと入団させやすい。





どちらにせよ、間違いなくロヴォフは何らかの動きを見せるはずだ。