第32章 エルヴィン・スミス②

彼女は右脚が完治するまでの間、日々の訓練への参加が禁じられていた。



そのため、彼女には特に重要ではない雑務ばかりが言い渡されていたのだ。





彼女ならきっと、子供達の良い遊び相手になってくれるはずだ。





俺はすぐさま彼女の意向を確認し、シャーディス団長の許可を得た。



この調査兵団では全ての事柄に対し、シャーディス団長の許可が必要なのだ。





俺の思わく通り、彼女はすぐに子供達と打ち解けた。



特にまだ幼いトージは彼女を実の母親のように慕っていたと思う。



サラもトージほどではなかったが、彼女と過ごす時間を楽しみにしている様子だった。





俺が上手く注ぐ事が出来ない愛情を、彼女から受け取ってほしい。





そんな思いだった。