【進撃の巨人】 never ending dream R18
第32章 エルヴィン・スミス②
サラは地下室の床下で眠っていた。
俺には決して知らされる事がなかった地下室…。
古めかしい袋に入った剣のような物を握り締めながら、サラは眠っていた。
俺はサラを床下から抱き上げる。
その瞬間、サラの手から重たい剣のような物がガシャンと床に落ちた。
この剣のような物も、サユリが詠っていた呪文のような不可思議な詩同様、壁外から持ち込まれた物なのだろう。
俺はその剣を拾い上げると、マントの内側へと隠す。
「父さん…。母さんがね、母さんがね…。」
そう言葉をつまらせるサラに、俺は「あぁ。」と一言だけ返事をするのが精一杯だった。
俺はサラの手を引き、地下室を後にした。
ふと、床に広がる赤黒い血液へ再び視界に入る。
哀しみ。
激しい後悔。
憎悪。
サラに悟られぬよう、俺は冷静を装った。