【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
兵士達の帰還を告げるシガンシナ区の鐘の音を聴いたのは、壁門までわずか数キロの所にたどり着いた時だった。
一体何人の兵士達が帰還出来たのだろうか。
遠くかすかに見えるシガンシナ区の壁門を目指し、私達は走り続けた。
気がかりはモーゼスの事だった。
私が幼い頃から調査兵団に所属している古参の兵士。
第1分隊長ではあるが、全体の指揮を執った事など今まで一度も無かっただろう。
複数の巨人に遭遇したであろう部隊を、一体モーゼスはどのような決断で壁内まで導いたのだろうか…。
乱れる呼吸を何とか整え、シガンシナ区の壁門をくぐる。
門前町の道には人だかりができ、私達二人にもその好奇な目が向けられた。
私は馬に乗ったまま、先に帰還しているであろう兵士達の姿を探した。
どうか皆、生きていて欲しいと強く強く願って…。