【進撃の巨人】 never ending dream R18
第31章 永久に碧く~月の歌~
それは一瞬の事だった。
2体の奇行種は、弟を握り潰そうとしていた巨人のうなじへと斬り込む父の身体を、2つに引きちぎった。
それはまるで、子供が人形を取り合うかのようで…父の身体から噴き出した鮮血が、灰色の空を赤く赤く染めた。
声を発する事も無く、まるで仮面を被ったような無表情の父。
2つに分かれた身体。
父がまとっていたマントがヒラリと地面へ落ちる。
“早くここを離れなさい。”
そう…父の声が聞こえたような気がした。