【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
850年
「総員!!突撃!!
人類存亡の命運は今、この瞬間に決定する!!
エレンなくして人類がこの地上に生息できる将来など永遠に訪れない!!
エレンを奪い返し即帰還する!!
心臓を捧げよ!!」
鐙の上に立ち、サラは声高に叫ぶ。
数十m先には、エレンを連れ去った鎧の巨人の姿。
拳を強く握り、心臓へと押し当てる。
そんなサラに続くように、兵士達の咆哮が壁外に響き渡った。
多大な犠牲を払い、女型の巨人である“アニ・レオンハート”をストヘス区内で拘束する事に成功した調査兵団。
しかし、堅く口を閉ざしてしまった“アニ・レオンハート”からは、有力な情報を得る事が出来なかった。
そんな中、突如としてウォール・ローゼ内に複数の巨人が出現した。
村を破壊し、調査兵団の主力である兵士達を次々と殺していった巨人達。
遂にウォール・ローゼの壁までもが破られたと…誰もが最悪の事態を覚悟した。
しかし、壁の穴はどこにも見当たらなかった。
巨人は一体どこから現れたのだろうか…。
多くの謎が残る中、策敵に向かっていた先遣隊から新たな情報がサラ達の元へと伝わった。
巨人化の力を持つ少年、エレン・イェーガーの同期である104期生の新兵“ベルトルト・フーバー”“ライナー・ブラウン”の正体が超大型巨人、鎧の巨人である事が判明したと。
彼等は調査兵団との激しい交戦の末、力尽きたエレンを連れ去り、壁外へと逃亡した。
日没までに追い付く事が出来れば、エレンを取り戻せるかもしれないというハンジの言葉を信じ、サラ率いる調査兵団は壁外へと向かったのだ。