【進撃の巨人】 never ending dream R18
第28章 永久に碧く~初陣~
いつの間にか眠りに落ちていた私達は、起床を告げる鐘の音に飛び起きた。
「2人とも早くしないと置いていっちゃうよ。」と、ハンジはいつにも増して上機嫌だ。
しかしそれは、恐怖に支配されまいとするハンジなりの強がりだったのだろう。
いつもの朝とは違い、部屋にいる女子兵士達の間にも重苦しい空気が漂っていた。
私とアンは急いで着替えを済ませると、廊下のつきあたりにある共同の手洗い場へと向かう。
冷たい水で顔を洗い、鏡を見ながら髪を整える。
「サラ、結んであげるよ。」
そう言ってアンは私の手から櫛を奪い、長い髪を丁寧に結わえてくれた。
「毎朝、妹達の髪を結んであげてたの。」
「妹がいるの?」
「妹が2人に弟が1人。
もう、しばらく会っていないけど。」
アンはウォール・マリア北西部の出身だった。
貧しい家庭に育ったと聞いたことはあったが、アンの口から弟妹の話を聞くのは初めてだった。
「会いに行こうよ。」
「…え?」
「壁外から帰って来たら、家族に会いに行こう。」