【進撃の巨人】 never ending dream R18
第27章 永久に碧く~願い~
部屋での待機命令を破り、兵団本部内を許可なく歩き回ったとして、私はその日の夜に行われた新兵歓迎式に出席する事を禁じられた。
しんと静まり返った兵舎の大部屋。
部屋の中央に置かれたテーブルに向かい、私は始末書を書いていた。
「ねぇ、君は一体何をしての罰なの?」
同じようにテーブルに向かい、始末書を書かされている女子兵士に私は尋ねた。
「猫がいたの。
親とはぐれた子猫。
カラスに襲われているのが窓から見えたんだ。
勝手に外へ出るなって、上官に叱られちゃった。」
彼女はそう笑いながら、恥ずかしそうに鼻をこする。
赤毛のショートカットに丸い瞳。
頬にはうっすらとそばかすがある。
小柄な彼女は、今期入団の新兵の中では特に幼く見えていた。
「ねぇ、歳はいくつなの?」
「私は15歳。」
「えっ?君も15歳なの?」
「うん。もしかして、あなたも?」
「私も15歳だよ。」
入団初日に始末書を書かされている同じ歳の女の子。
私はどこか、彼女に運命めいたものを感じていた。
「私はアン。あなたは?」
「私はサラ。サラ・スミス。」
その日の夜、私達は新兵歓迎式でふるまわれた料理の事など全く気にならないほど、時間を忘れて話し続けた。