【進撃の巨人】 never ending dream R18
第26章 永久に碧く~守りたい~●
どこからか、再びクレアの歌声が聞こえたような気がし、サラはそっと瞳を閉じながらリヴァイの身体を強く抱き締める。
泣かないで恋人よ
君の涙をすくうよ
心を無くし
倒れてしまっても
僕だけは
君のことを知っている
誰にも見せる事の無かった父の本当の“弱さ”を、クレアだけは知っていたのだろう。
だからこそ、私の存在に気付いても、クレアは父を抱く事を止めなかったのだろう。
あの日のクレアの美しい大きな瞳には、父を守りたいという強い想いが込められていた。
…例え、私が傷付こうとも、クレアは父を…父の心を守りたかった。
父はクレアと抱き合う事により、何とか“人間らしさ”を保つ事が出来ていたのだろうと思う。
それはまるで、私とリヴァイが抱き合うように…。
窓の外は既に明るく、夜明けを告げる鳥の鳴き声が聞こえはじめていた。
そんな鳥の鳴き声さえも、優しく微笑むクレアの声に聞こえ、サラは思わず笑みをこぼす。
“サラちゃん、花は好き?”
「うん。大好きだよ。」
愛する男を胸に抱き、サラは亡きクレアの想いへと、そっと寄り添った。
【永久に碧く~守りたい~】おわり