【進撃の巨人】 never ending dream R18
第7章 出会い~選択~
「時間が無い!!早くしろ!!」
サラの怒声が響いた。
それと同時に、サラの首筋から刃の感触が消えた。
カシャンと、刃が地面に落ちる音がした。
サラは、そっと目を開ける。
そこには…崩れ落ちるリヴァイの姿があった。
震える肩を日の光が優しく照らし出す。
辺りには青空が広がっていた。
ミケがゆっくりと2人に近付く。
ミケはサラにハンカチを手渡した。
サラはミケに礼を言うと、ハンカチを首筋の傷に押し当てる。
真っ白なハンカチに血が染み込んだ。
そしてサラは、そのハンカチを手のひらに巻き付け、固く結んだ。
「天候が回復したら、巨人の動きが活発になるかもしれない。
ここを離れるぞ。」
ミケはそう言うと、2人に背を向け、馬へと戻って行く。
サラは、小さくうずくまるリヴァイに視線を落とした。
そして…リヴァイにそっと手を差し伸べた。
「立て、リヴァイ。
君を失いたくない。」
リヴァイは、サラの手に触れる事なく、自らの力で立ち上がった。
リヴァイが馬へ乗ったのを確認し、サラも自分の馬へと向かう。
その途中、足元に転がる兵士の亡骸が目に入った。
“死ぬなよ。”
彼の言葉を思い出す。
サラはそっと瞳を閉じ、その亡骸に敬礼をした。
その光景を、リヴァイは馬上から見つめる。
遠くには、金色に輝く山脈と青空が、互いに惹かれ合っているかの様に存在していた。
そこに七色の光が差し込む。
サラの背中越しに、リヴァイは初めて虹を見た。
それはとても美しかった。
【出会い~選択~】おわり
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