【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
今思えば、どうしてあんなにも大胆な行動が出来たのだろうかと不思議に思う。
あの頃の俺は、兵士以外の女性と話をした事などほとんど無かったはずだ。
もちろん、マリーとも私的な会話をした事は一度も無い。
それなのに俺は、突然目の前に現れた見知らぬ女性へと、声を掛けてしまったのだ。
「あの…。」
詠い終わり、また月を見上げる彼女の後ろから、俺はそう声を掛けた。
しかし、女性に声を掛けた事など無い俺は、その後に続く言葉が出てこなかったのだ。
“素敵な声ですね。”
“綺麗な黒髪ですね。”
今思えば、何とでも言葉を掛けれたはずだ。
それなのに…
“愛おしい。”
ただ、その言葉しか浮かんでこなかった。