【進撃の巨人】 never ending dream R18
第24章 エルヴィン・スミス①
「俺はもちろん、調査兵団にするよ。」
無事に卒業試験を終え、酒場へと繰り出していた俺達の話題は、卒業後の所属兵科をどこにするかといったものだった。
ウォール・ローゼ南方にある訓練所から、歩いて数十分の距離にある兵士相手の飲み屋街。
ガヤガヤと騒がしい店内で、俺達は何の疑問も持たず、これから訪れるであろう“輝かしい未来”について語り合っていた。
「エルヴィン、お前には成し遂げなければならない“夢”があるとか言っていたもんな?」
そう声を掛けてきたのはナイルだった。
“ナイル・ドーク”
訓練兵団に入団してからの3年間、寝食を共にし、互いに“夢”を語り合ったかけがえのない仲間だ。
入団当初から俺達は調査兵を志し、常に巨人との実戦を意識しながら、今日まで厳しい訓練を積んできた。
全ては“夢”のため。
当然、ナイルも俺と同じように調査兵団を志願するのであろうと、あの時までは信じていた。
「あぁ、その通りだ。
ナイル、君も調査兵団にするんだろう?」
そう問い掛けた俺の言葉に、ナイルは複雑な表情を浮かべた。
「エルヴィン…。
すまない、俺は憲兵団に入るよ。」