【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
『エレン…また、してくれるか?』
力尽き、ぐったりと倒れ込むエレンを、サラは胸の上で優しく抱き締める。
『もちろんです…。』
そう答えるエレンの髪を撫でながら、サラは『ありがとう。』と微笑んだ。
人類の希望である調査兵団を束ねる女団長も、こうして男に抱かれている時は案外普通の女性なのだとエレンは思う。
何て可愛いのだろう…。
自分より十も上であるサラ。
なぜだろう。
今なら…どんな事でも叶ってしまうような気がした。
『ねぇ…エレン。』
『はい…。』
『エレン。』
『…はい、何ですか?』
『エレン。』
『はい、だから何ですか?』
何度も名前を呼び続けるサラを不思議に思い、エレンはそっと顔を上げる。
『サラさん…、どうしました?』
そう問い掛けるエレンの瞳に映ったのは、先ほどまでの可愛らしさが幻であったかのように、怒りと憎しみに歪んだ表情を浮かべるサラだった。
『エレン、起きなさい。』
サラは冷たい瞳でエレンを見つめながら、低く抑揚の無い言葉を吐く。
『…えっ?起きるって…。』
困惑するエレンに、サラは冷たく言い放つ。
『エレン、起きろ。』
『…起きてますよ。』
『エレン!!』
『だから…起きてますって。』
『エレン!!』
『何なんですか?』
『エレン!!』
『やめてくださいよ!』
『エレン!!!!!』
突然、ズキンと頭が強く痛んだ。
徐々に意識が遠のいていく。
(一体…何なんだ。
あぁ、しまった。
これは“夢の中”だったんだ…。)
エレンは頭を抱え、ベッドから転げ落ちた。