【進撃の巨人】 never ending dream R18
第6章 出会い~仲間~
壁外調査の日程が正式に発表された。
サラの言っていた通り、リヴァイ、ファーラン、イザベルの参加も決定した。
「壁外ならサラ・スミスも他の奴等も、巨人に意識が集中し、必ず隙が出来るはずだ。
壁外調査…利用しない手はないな。」
そう言うとファーランは静かにほくそ笑んだ。
3人は兵舎に隣接されている倉庫にいた。
調査兵団本部内で、人目に付かず話が出来る場所は限られている。
なのでこうして消灯後に兵舎を抜け出し、この場所で情報を交換するしかない。
兵団内での生活は思いのほか自由に動く事が難しく、サラに接触する機会は無いに等しかった。
また、他の兵士に悟られぬように毎日の訓練にも参加した。
そんな中訪れた絶好の機会…それが今朝の訓練所での出来事であった。
しかし、リヴァイはファーランとイザベルにその事について話さずにいた。
“殺りそこねた”
そんな事を言える訳が無い。
イザベルはリヴァイを兄のように慕っている。
地下街でリヴァイが拘束された事を知った時には、怒りと同時に大きなショックを受けたに違いない。
数年前、リヴァイは死にかけていたイザベルを助けた。
それからというもの「兄貴」と呼ばれ続けている。
「兄貴は一番強えーんだ!!」
そう言いながらリヴァイに憧れの眼差しを向けるイザベルは、リヴァイにとって愛すべき存在であった。
ファーランもまた、リヴァイにとってかけがえのない存在だ。
リヴァイと出会う前は、地下街で最も巨大な勢力を誇る窃盗団の重鎮であった。
どこの組織にも属さないリヴァイを目障りに思い、抹殺を試みるが返り討ちにあった。
それからというもの、リヴァイの強さに惚れ込み行動を共にしている。
冷静沈着であり、柔軟に物事を考えるファーランとは不思議とウマが合った。
“新兵が最初の壁外調査で、死亡する確率は5割だ。”
サラの言葉が、リヴァイの頭をよぎった。