【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
4日後、調査兵団本部へと帰還した兵士達の表情に生気は無く、キースが指揮を執った作戦が今回も失敗に終わった事は、誰の目にも明らかだった。
本部の外へと集まった兵士達の数はまばらで、今回の壁外調査においても、大勢の犠牲があった事を物語っている。
いつもは団長室のソファーに座り、本を読みながらキースの帰りを待っている私も、この日ばかりは本部を飛び出し、帰還した兵士達のもとへと向かっていた。
クレアがこの調査兵団本部を発ってから4日。
誰もいなくなってしまった女子棟の部屋。
クレアの“過干渉”を受ける事も無ければ、隣のベッドで眠るクレアの息遣いを感じる事も無い。
自分の感情に折り合いをつけれず、クレアにぶつけてしまった言葉への激しい後悔と絶望感。
無事に帰還して欲しいというわずかな願い…。
本部の外へ出ると、血の気を失った顔の兵士達の中に、額から流れる血を押さえるモーゼスの姿を見付けた。
不安げな表情を浮かべながら近付く私へと、モーゼスは渇いた笑顔を向けた。
「…見るな。中に入ってろ。」
そう言いながら私の頭をクシャクシャと撫でるモーゼスの腕には、どす黒く固まった血の痕が残っていた。