【進撃の巨人】 never ending dream R18
第22章 咽び泣く~違和感~
「サラちゃん、お願いだからたまにはワンピースを着てよ。」
「嫌!!
そんな気持ちの悪い物なんか着たくないの!!」
「そんな事言わないでよ。
せっかくお父さんが買ってきてくれたんだから。」
「だったら、クレアが着ればいいじゃない!!」
12歳になった私は、こうして毎朝クレアと言い争いを繰り返し、兵団内ではちょっとした問題児になっていた。
今思えば、ただの反抗期。
以前にも増してクレアの“過干渉”は酷くなり、私は毎日が不満と苛立ちの連続だった。
唯一、心が落ち着いたのは、団長室で過ごすキースとの時間と、格技場での剣舞の稽古。
そして…時おり会えるモーゼスとの会話だった。
モーゼスへの恋心はとっくに消えていたが、なぜか彼の笑顔を見ると、いつも胸がチクリと痛んだ。
恋とは何て厄介なものなのだろう。
12歳の私は、生意気にもそんな事を思っていた。